対話室その2  八段昇段を目ざす剣士達と

-立ち合い・稽古感想- 平成304   於 東京 大田区        

拝啓

30数年前、週一回程度稽古をお願いした藤さん、池さん、永さんへ

まずは、今年も皆さんのご厚意により、懐かしい面々と一年振りに再会することができたことをよろこんでいます。

そのうえで、皆さんの稽古を個別に拝見する機会が得られたことを喜んでいます。わけは、どうしても皆さんの母校での稽古は大勢の中での稽古なので皆様の稽古を詳細に拝見することが難しかったものですから。一方、道場管理者で師範の範士八段〇村先生の目からみた皆様の感想・所感が得られることを期待したからです。幸い〇村先生も快く我々にチャンスを与えてくださり助かりました。昨日〇村先生にお礼がてら電話で感想を伺いました。

私と〇村先生とほぼ一致した感想を誠に僭越ですが述べさせて頂きます。言うまでもなく審査員によって後に示すような色々な観点 (攻め、竹刀捌き、気合、姿勢、風格、品位などから八段を評価されていることから、あくまで二人の感想です。

今回の稽古で二人が共通的に感じたことは「打ちは捨てきる」事が大きな観点としてありました。中段から技を繰り出した場合、打突部に当たっていればよいのですが、相手に防御、反撃されて時に「打たれまいと構えを崩してまで防御する」点です。試合では当然必要・大切な動作ですが、昇段審査では、如何なものかと思います。極端な場合、打たれても潔い打たれ方は、前者評価よりも減点数が少ないのではと考えています。

よって、上から目線(遠山の目付=上司が部下を見下ろす目線)乾坤一擲ここと見据えたならば、身を捨てて打ち切る潔さ(失敗してもジタバタしない)が必要で大切と思います。この点範士八段〇村先生、恵土とも共通的に感じたことでした。                   

敬具  文責    恵土

 

藤さんからの返信

立ち合い・稽古についての先生方のご指摘は正にその通りだとおもいます。

全剣連副会長福本先生や小林先生からも同じお話を伺っています。

今日の稽古は立ち合いのつもりで取り組んでみよう。「打った以上は例え相手に抜き胴を打たれても打ち切ろう」と考えてやるのですが、持ち前の負けず嫌いが災いして手元を上げて防御したり、打ちを途中で止めて防御をしてしまうという悪い癖がでてしまう。性格を直さないと本質的には治らないかもしれません。などなど、ご返信まで           藤より